日頃からお世話になっております東北大学古屋先生のお誘いで「減災サステナブル技術シンポジウム2022 in黒潮町」に現地参加させていただきました。
◆「全国最大の津波想定の町」の取り組み高知県黒潮町
日本一高い津波が押し寄せると予想される黒潮町では、津波避難タワーの建設も着実に進んでおります。今回ご紹介するのは、海抜高約22メートルのタワーです。災害発生時には一時避難場所としての活用が期待されています。
◆黒潮町 の最大津波高は?
その内容は、最大震度が7、最大津波高が34.4mと いう日本一厳しい数字であり、2011年3月の東北地方太平洋沖地震の発生以降慎重に見直してきた黒潮町の防災計画と対策事業をさらに見直さなければ ならない、極めて厳しいものでありました。そこで一般社団法人 減災サステナブル技術協会は、津波到来に備えて住民の命を守る対策として様々なソリューションをご紹介したいとおもい、減災サステナブル技術シンポジウム2022 を黒潮町で開催いたします。
*偶然ですが今年6月に釜石市にある岩手大学水産研究センターに古屋先生と伺いました。
下記の内閣府で制作された津波災害に関する動画では、釜石市と黒潮町が取り上げられています。
~「減災サステナブル技術シンポジウム2022 in黒潮町」~
◆日時:2022年10月9日(日)14:00〜17:30
◆リアル会場:高知県黒潮町+ZOOMによるWEB会議(ハイブリッド方式)
◆講演内容:
- 開会挨拶 14:00~14:15 浅沼 博(千葉大学名誉教授・協会会長)
- 御挨拶 14:20~14:35 阿久津 幸彦様(元衆議院議員・協会特別顧問)
講演タイトル「誰ひとり取り残さない防災の実現に向けて」 - 特別講話1 14:40~14:55 村越様(高知県 黒潮町役場 防災課課長)
講演タイトル「犠牲者ゼロをめざす黒潮町の地震・津波対策」 - 会員講演1 15:00~15:15 水野 茂様(株式会社ミズノマリン代表取締役)
講演タイトル「津波災害を乗り越えるためのレジリエンス確保のあり方」 - 特別講和2 15:25~15:40 古屋 泰文様(東北大特任教授・協会特別顧問)
講演タイトル「グリーンエネルギー余剰電力GEMCOS-IoTシステム技術開発 」 - ゲスト講演1 15:45~16:00 吉田 秀利様(シーアールアイジャパン株式会社代表取締役)
講演タイトル「IoT(LoRaWAN)通信デバイス技術の防災減災分野応用」 - ゲスト講演1 16:05~16:40 島田 節行様(日刊工業新聞東京支社企画営業部副部長)
講演タイトル「レジリエントな地域社会を目指すSDGsの取り組み事例」 - 会員講演2 16:25~16:40 仲保 京一様(日立造船株式会社水門部門部長・協会副会長)
講演タイトル「津波対策としての新たな構造形式について海底設置型フラップゲート式可動防波堤施工事例の紹介」
*一般社団法人 減災サステナブル技術協会サイト
↓
https://ssmartace.or.jp/
シンポジウム開催の先週土曜日に大阪入りし、伊丹空港の着陸出口で減災サステナブル技術協会の技術担当浅野さんと東北大学古屋先生と待ち合わせして、レンタカーを借りて神戸から明石海峡大橋、淡路島を横断し、鳴門大橋経由で高松から四国に入りました。東京からは、新型GPSトラッカー -TrackerDとLoRa Watchを身につけてバッグに新型ゲートウェイ LPS8 v2にバッテリーをつけてTagoIOで行動をトラッキングすることにしました。
土曜日は、6時間の長時間ドライブを経て夕方に目的地でシンポジウム開催会場の土佐ユートピアカントリークラブに到着。そのまま、黒潮町役場防災課の方達と夕食をしてそのまま一泊。
翌日は、減災サステナブル技術協会の幹部の方と黒潮町の松本町長はじめ、副町長、黒潮町議長ら合計20名くらいの方、そして津波シェルターのメーカーである大阪の株式会社ミズノマリンの水野社長が贈与式の式典に出席。式典に参加させていただきました。
減災サステナブル技術協会会長で千葉大学名誉教授の浅沼先生のご挨拶で式典が始まりました。
会場右隣になる津波シェルターを開発・製造されている株式会社ミズノマリン水野社長のご挨拶、8人搭載の津波シェルターを黒潮町に贈呈されるとのことです。
浅沼先生から黒潮町松本町長に目録が手渡されました。
いつもお世話になってます東北大の古屋先生(上記協会名誉顧問)、津波シェルターを背景に記念写真。
式典終了後、神主が準備をして津波シェルターの前で新築不動産の安全を祈念するための地鎮祭と同じ形式で地元の神主が10分程、祝詞が行われました。
その後で滞在先のホテルに帰り、食事してしばらくしてから、シンポジウムが開始されました。
◆講演内容:
- 開会挨拶 14:00~14:15 浅沼 博(千葉大学名誉教授・協会会長)
- 御挨拶 14:20~14:35 阿久津 幸彦様(元衆議院議員・協会特別顧問)
講演タイトル「誰ひとり取り残さない防災の実現に向けて」 - 特別講話1 14:40~14:55 村越様(高知県 黒潮町役場 防災課課長)
講演タイトル「犠牲者ゼロをめざす黒潮町の地震・津波対策」 - 会員講演1 15:00~15:15 水野 茂様(株式会社ミズノマリン代表取締役)
講演タイトル「津波災害を乗り越えるためのレジリエンス確保のあり方」 - 特別講和2 15:25~15:40 古屋 泰文様(東北大特任教授・協会特別顧問)
講演タイトル「グリーンエネルギー余剰電力GEMCOS-IoTシステム技術開発 」 - ゲスト講演1 15:45~16:00 吉田 秀利様(シーアールアイジャパン株式会社代表取締役)
講演タイトル「IoT(LoRaWAN)通信デバイス技術の防災減災分野応用」 - ゲスト講演1 16:05~16:40 島田 節行様(日刊工業新聞東京支社企画営業部副部長)
講演タイトル「レジリエントな地域社会を目指すSDGsの取り組み事例」 - 会員講演2 16:25~16:40 仲保 京一様(日立造船株式会社水門部門部長・協会副会長)
講演タイトル「津波対策としての新たな構造形式について海底設置型フラップゲート式可動防波堤施工事例の紹介」
それぞれの説明内容は、興味深く防災や津波に対してとても造詣が深い内容でした。 下記は、東北大学特任教授、弘前大学名誉教授 古屋先生の説明資料です。
私が発表した説明資料は下記の通りです。 ちょっと場違いでしたが、LoRa(電波変調方式)とLoRaWANの違いを説明し、その後TTN国内イニシエーター様の事例概要を説明させてもらいました。
私の説明の後、減災サステナブル技術協会副会長でもある日立造船の仲保部長の長年取り組まれている「フラップゲート」の動画がとても興味深い内容でした。「フラップゲート」という言葉も知りませんでした(笑)
日立造船株式会社水門部、仲保部長の説明、なんと海底に自動弁のように水門の蓋を仕掛けて、津波がくると自動でこれを上蓋のように持ち上げて水圧を減圧して大津波を防ぐ仕組み。日本独自の技術のようです。凄い!
「減災サステナブル技術シンポジウム2022 in黒潮町」も滞りなく終了し、Zoomで参加された方2,3名からコメントが寄せられました。皆、真剣に勉強されている雰囲気でした。
その後、午前中に式典に出席された黒潮町役場の方々もゴルフクラブにあるラウンジで夕食に参加されて皆様忌憚ない意見交換が行われました。 黒潮町役場の皆さま、連休中にいろいろお膳立てをいただきご苦労様でした。また、「災害時でも美味しい食べ物を提供」ということで設立された黒潮町役場で製造されている海の幸の缶詰セットをいだだきましありがとうございました。
最終日、月曜日は大阪までの帰路、黒潮町にある津波避難タワーを見学しました。
二重の螺旋構造で、老齢住民が多い地域では、勾配の少ない外側フラット設計で車椅子でも8階まで上ることができます。中心は通常の階段となります。
8階が避難スペースになっていて、20畳くらいの広さでした。 8階から見た街並み。 9階屋上は、ヘリポートのようですが施錠されていました。
最後に、今回の「減災サステナブル技術シンポジウム2022 in黒潮町」シンポジウムを企画・運営された協会の大内さん、浅野さん、浅沼会長、古屋顧問、たいへんお世話になりました。 これを機会によりスマートシティ化へ発展にご協力させていただければ幸いです。多謝。